写真:日高の牧場 インド人倍増 1年半で209→408人 騎乗員不足/待遇差でトラブルも
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日高の牧場 インド人倍増 1年半で209→408人 騎乗員不足/待遇差でトラブルも

2020年09月23日

日高管内の軽種馬育成牧場で、競走馬を調教する騎乗員として働くインド人がこの1年半ほどで倍増し、400人を超えた。インド人の多くは勤勉で家族を呼び寄せる例もある一方、新型コロナウイルスの影響で日本に入国できず、人手不足が深刻化して一部でトラブルが起きている。

 8月上旬、同管内浦河町の軽種馬育成調教場の一角で、インド人騎乗員の約70人がクリケットをして汗を流した。毎週日曜に集まり、近くの店でカレーを味わい歓談もする。インド人の1人は「仲間と集まる楽しみがあるから、また翌週、頑張れる」と話す。

■家族呼ぶ例も

 日高管内で住民登録するインド人は7月末現在で408人。2018年10月末の209人から倍増した。さらに数十人が新型コロナの影響で入国制限がかかり、来日待ちの状態だ。

 日高町の門別競馬場の厩舎(きゅうしゃ)に勤めるベール・シングさん(35)は、妻と子2人を残し、来日3年目。1日4~8頭に乗り、「楽しく働いている」。月給は手取りで19万円と母国の4~6倍。厩舎の馬が勝つと、賞金の分配が年30万~150万円加わる。「働ける限り日本に居たい」と願う。

 インド人騎乗員の平均月給は、経験などに応じて20万~25万円。信仰上の理由などで食事に制約があるため共同で自炊し、月15万円以上を仕送りするという。

 管内にはインド人女性も14人おり、うち11人が住む浦河町によると、「ほぼ全員が騎乗員の妻」という。「妻を呼んで日本に長く住みたい」と話す人も多く、定住志向が高まっている。

 ただ、インド人の受け入れを巡っては問題も起きている。管内の牧場で働くインド人(28)は「借金して渡航費用の80万円をブローカーに払ったが、給料や働く条件が話と違った。雇い主とトラブルにもなり、牧場を移った」と明かし、借金返済を続けているという。

■コロナも影響

 騎乗員のなり手不足で「インド人なしでは成り立たない」(牧場主)という現状の中、コロナ禍が追い打ちを掛ける。「インド人を不当に引き抜き、他の牧場に紹介するブローカーがいる」として、管内の牧場主ら10人が6月、札幌出入国在留管理局に在留資格の適正な審査を文書で求めた。

 文書で名指しされた男性は「引き抜きはしておらず、不当な扱いを受けたインド人の相談に乗っているだけ」、関係する複数の牧場主も「インド人は自分の意思で転職している」とし、主張は食い違う。

 インド人を受け入れる際は管内や札幌など複数の業者がインドの仲介者らと組むのが主流で待遇はまちまち。軽種馬業界の関係者からは「雇用時のルールが必要」「労働環境を改善しないと日本に来なくなる」との懸念の声が出ている。新ひだか町の軽種馬牧場主で道議の藤沢澄雄さんは「馬産地全体で適正な給与待遇などを考え、紳士協定を結んでトラブルを防ぐ契機にすべきだ」と訴えている。

(提供:北海道新聞)

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