
北海道の今
秋サケ捕獲好調 千歳・インディアン水車 前季の2.7倍、水温低め遡上しやすく
2020年09月18日
千歳市花園の千歳川にある秋サケ(シロザケ)の捕獲施設「インディアン水車」で、今季の捕獲が本格的になってきた。7月19日に水車を設け、8月31日までに前年同期の2・7倍、1万1659匹を捕獲し、好調だ。今後の採卵へ関係者は期待を膨らませている。
ふ化増殖を目的に親魚を捕獲している日本海さけ・ます増殖事業協会(千歳)によると、これまでに雌4888匹、雄6771匹を捕獲。例年並みの体長70センチ前後の魚体が多いという。
自然産卵の資源増強のため、8月16日までに捕獲した300匹強は、水車の上流で再放流。事業としての捕獲は17日に始めた。畜養池に運ばれ、十分に成熟した状態になる9月4日ごろから採卵を始める予定。
水車は12月10日ごろまで稼働する。例年と同様、約13万匹以上を捕獲して約9千万粒の受精卵を生産し、他の河川にも振り向ける。計画数に達した後に捕獲した親魚は、売却して事業資金などに充てるという。
昨季は前季比86・2%増の約25万9千匹と4年ぶりに20万匹を超えて好調だった。今季の日本海側の来遊数について、道立総合研究機構・内水試(恵庭)は、前季比30・7%増と予測する。
同水試さけます資源部の卜部(うらべ)浩一研究主幹は今季の千歳川の状況について「捕獲は始まったばかり。予測値とのずれは期間全体で判断したい」とした上で「沿岸の水温が20度を超すと岸に近づきにくくなるが、今のところ水温が低い。遡上(そじょう)しやすい状況にあるのでは」とみる。
日本海さけ・ます増殖事業協会の赤城伸哉業務課長補佐は「例年になく順調。前季を上回る数を期待したい」と話している。
(提供:北海道新聞)