
北海道の今
ルピシアの地ビール工場完成 ニセコの本拠整備本格化
2020年10月09日
茶販売大手ルピシアが建設する地ビール工場が完成し、町羊蹄に取得した16・5ヘクタールの土地に本拠となる「ルピシアの森」を構築する動きが本格的に始まった。来年には同敷地内に新本社棟も完成する予定だ。東京からの社員の異動も始まっており、本社移転後の形が少しずつ見え始めている。
地ビール工場はルピシアグループの食品製造会社ルピシアグルマンが運営。敷地内に年内に野菜茶工場も建設、稼働させる計画だ。来年以降、社員用住宅や新本社棟も建てる。ハーブ畑を設ける計画もあり、5年ほどで全域を整備する。
広大な森の開発事業になるため、ルピシアは環境への配慮を前面に出す。7月の住民説明会では開発面積を11・3ヘクタール、全体の68・5%にとどめると公表。開発区域は隣地から30メートル以上距離を空け、景観も害さないと強調した。排水も膜を使った高度な処理で環境基準を大幅に下回る水準で放流すると説明している。
コロナ禍を機にテレワークが増え、今夏はワーケーションでニセコ地域を訪れる人も増えた。働く場所を見直す動きが広がるなかで、東京からニセコへ拠点を移すルピシアの計画の成否は注目を浴びる。新たなトレンドを生み、ブランド価値を高めるために、自然環境や景観の維持、保全による、地元住民との信頼関係の醸成は不可欠だ。
(提供:北海道新聞)
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