
ワンコインランチで集客を コロナ禍で居酒屋が続々参入
2020年10月30日
コロナ禍で厳しい経営を強いられている札幌の飲食店。競争が激しい大通など都心にある居酒屋では、少しでも売り上げを伸ばし、夜の客にもつなげようと、ランチに力を入れ、500円で味わえるワンコインランチを始めた店も少なくありません。
札幌だけで9店で展開する「魚活鮮とあぶり焼 海へ」。北3条店(北3西3)の店頭には8月末からワンコインランチ(平日正午~午後2時)の看板が立つようになりました。メニューは「やきどり丼」「ねぎとろ丼」など6種類あり、エビの天ぷらが5本載った「海老天丼」と「鮪とサーモンの2色丼」が人気です。
宴会の自粛などで減った売り上げをカバーしようと、ランチ営業を始めたのは7月末。さらに北3条店独自の取り組みとしてワンコインに手を広げました。
口コミで評判は広まり、「同じ会社の人が、別のグループで来ることも多い」と小池ゆかり店長。利幅は薄いものの、集客効果は大きく、系列店でもワンコイン導入を検討してします。
道庁近くにある「串鳥のワイン 酒場TANTO駅前通店」(北4西4、ニュー札幌ビル2階)は9月からランチタイム(平日午前11時半~午後1時半)にパスタの「ナスのボロネーゼ」と「ミルフィーユ牛カツ」を交互にワンコインで提供しています。通常のランチと同様にサラダや鶏がらスープがつき、コーヒー、カフェラテ、カプチーノなどのドリンクバーも利用できるワインコインです。
4月からランチ営業を始め、「3密」を避けられるテラス席も設けたのが「串揚げと寿司酒場 てっちゃん時計台前通り店」(北1西3)です。それまでの午後3時からの営業を午前11時半からに早め、午後3時までのランチタイムにワンコインで串カツ5本の「串カツ定食」や「三元豚ロースカツ丼」(600円)などお得なメニュー。
安い価格とスピーディーな応対がビジネス街のサラリーマンらに喜ばれ、「リピーターも多く、当たりました」と牧野真也料理長。ランチだけでなく、夜も利用してもらおうと、夜専用のクーポン券を配布。少しずつ夜に来店する人が出てきたそうです。
6月に居酒屋からしゃぶしゃぶ専門店に衣替えした「海のもの 山のもの 北ぐにの」(北3西2、カミヤマビル地下1階)はランチタイム(月~土曜の午前11時半~午後2時半)に、豚、ラム、ラベンダーポーク、牛タンの4種類のしゃぶしゃぶセットを提供。このうち、豚しゃぶセットはワンコイン+税で550円のお値打ち価格です。
客がそれぞれカセットコンロで「しゃぶしゃぶ」し、ご飯とドリンク1杯もつきます。ビル地下にある店は目立ちにくいものの、「少しずつ知名度は上がってきた」と同店の山本弘樹さんは手応えを語り、ランチタイム限定メニューを増やす意向です。
お手軽で、気になっていた店の雰囲気も確かめられるワンコインランチ。コロナの収束は見通せず、これからもまだまだ、増えていくかもしれません。
(提供:北海道新聞)