
北海道の今
高低差64メートル、うねる直線 上富良野 ジェットコースターの路
2020年11月11日
上ったと思ったら急降下。2・5キロにわたって波のように何度も上下にうねる直線道路は「ジェットコースターの路(みち)」と呼ばれ、道内でも屈指の人気観光地となっている。
正式名称は町道「西11線道路」。高低差は最大64メートルにも及ぶ。激しい勾配の理由は、十勝岳連峰にある。
周辺のジオパーク認定を目指す十勝岳ジオパーク推進協議会の中村有吾専門員(48)によると、一帯には約200万年前の噴火で火山灰や軽石が堆積。こうした堆積物は雨や河川で浸食されると、通常は渓谷になるが、富良野地方は寒暖の差が大きく、雪や地面が氷結と融解を繰り返すことで雪崩が何度も発生、なだらかな斜面になったという。
倉本聰さん原作・脚本で二宮和也さんや長沢まさみさんが出演したテレビドラマ「優しい時間」に登場したことで知られ、近年は会員制交流サイト(SNS)で注目を浴びる。コロナ禍でも、左右の視界いっぱいに広がる農場や紅葉で色づく十勝岳にひかれ、多くの観光客の車が行き交う。国道237号から入ることができる。
(提供:北海道新聞)