
北海道の今
エゾリス 越冬用の実 食べ忘れも
2020年11月11日
落ち葉が折り重なり、一面あめ色に染まった十勝管内のとある神社。鎮守の森では木の実を見つけたエゾリスが食事を始めた。
冬毛への換毛が終わり、耳のふさ毛をピンと立てるエゾリスは体長25センチほど。食事の時間は早朝で、秋はクルミやドングリなどの木の実を中心に食べている。腹が満たされると実を地中に分散して埋め始める。越冬への準備に余念がない。
エゾリスは埋めた実の場所を覚えていて、エサが不足する積雪期になると掘り出して食べる。うっかり食べ忘れた実は、翌春に芽生えることもある。エゾリスがいろいろな種類の実を運び、食べ忘れることが、森の多様性を守るのにひと役買っている。
器用に手を使って実を食べ、時折鼻をヒクヒク動かし、目で周囲をうかがう。食事の時間もエゾフクロウなど天敵への警戒を怠らない。
(提供:北海道新聞)