
北海道の今
ラッコ 群れてぷかぷか休憩中
2020年12月11日
晩秋の太平洋。久しぶりのなぎ。根室市の無人島、モユルリ島沖に十数頭のラッコが群れ、ぷかぷかと水面に浮いている。
子供を抱いた母親もいる。潮に流されないよう身体にホンダワラなど長い海藻を巻き付けて休む。エンジンを止めた船が潮の流れに乗って徐々に近づくと、慌てず様子をうかがうラッコと、一定の距離をとるラッコに分かれた。
ラッコはイタチ科で唯一、海に進出した仲間。しなやかに水中に潜りエサを捕る。泳ぐスピードは時速9キロほどと、アザラシなど他の海洋哺乳類と比べ遅い。海がしけると波に翻弄(ほんろう)され、海岸の岩にぶつかってけがをしたり、命を落としたりすることもあるという。
秋から冬にかけ、道東沿岸には発達した低気圧が何度も通過する。ラッコにとっては寒さよりも厳しい、しけの季節が到来する。
(提供:北海道新聞)