
北海道の今
日本製鋼所 瑞泉鍛刀所で打ち初め式 「わざわい断ち切る刀作りたい」
2021年01月20日
日本製鋼所M&E室蘭製作所(室蘭市茶津町)は4日、新年恒例の日本刀の打ち初め式を製作所内にある「瑞泉鍛刀所(ずいせんたんとうしょ)」で行った。「カン、カン」と甲高い金属音が響く中、製作所の幹部ら15人が立ち会い、今年1年の安全操業を祈った。
瑞泉鍛刀所は1918年(大正7年)、日本刀の製作技術の継承や向上を目的に開設され、打ち初め式は開設時から続く。日鋼M&E社員で瑞泉鍛刀所5代目当主の佐々木胤成(たねしげ)さん(48)と先代の堀井胤匡(たねただ)さん(66)の刀匠2人が着物姿で、日本刀の材料となる「圧金(へしがね)」を作った。
「火床(ほど)」と呼ばれる鍛造用の炉に、板状の鋼を入れると約千度に加熱。真っ赤になった鋼を大づちと小づちで交互にたたいて鍛錬した。佐々木さんは「今年は災いを断ち切れるような刀を作りたい」と語り、今回の圧金を使って鑑賞用などの日本刀を約10振り作るという。
(提供:北海道新聞)