
北海道の今
モモンガ 闇の中 木から木へ滑空
2021年02月01日
太陽が沈み、たそがれ時を迎えた網走市の森。東の空に月が昇る中、巣穴からモモンガが飛び出した。
体長15センチほどのモモンガは夜行性で、アカゲラの古巣や樹洞を利用し、昼間はのんびり寝ている。冬場は数匹で巣を共有し、厳しい寒さをしのぐ。周囲が暗くなり始めると目覚め、巣穴から顔だけ出し、エゾフクロウなど天敵を警戒しながら次々と巣穴から飛び出していく。
手と足の間にある飛膜を広げ、木から木へ50メートルも滑空する特殊な能力がある。巣から周辺の木へ飛び移り、針葉樹の葉や広葉樹の冬芽などを食べている。尾でかじを取り、滑空しながら左右に曲がれる器用さを併せ持ち、食事が終わると障害物を避けて再び巣へ戻ってくる。
静まりかえった森で不意にモモンガと目が合う。寒さを忘れ、心ときめく瞬間だ。
(提供:北海道新聞)