写真:震災で帰国、医療現場で疲弊―たどり着いた「ニセコの薫り」
北海道の今

震災で帰国、医療現場で疲弊―たどり着いた「ニセコの薫り」

2021年03月02日

2011年3月11日。沢田健人さん(36)はカナダ・バンクーバーで美容師をしていた。子どもの頃から憧れた街。移民になることも考えていた。

 友人が叫んだ。「健人、日本が大変だぞ」。東日本大震災。原発事故も伝わってきた。両親は当時、福島県郡山市に住んでいた。「日本はもうダメだ。カナダに来い」。無料通信アプリで無事を確認できた両親に、慌てて、そんなメッセージを送っていた。

 事態が少し落ち着くと、海外に住んでいることのリスクを強く感じるようになる。「カナダにいれば、両親が大変なときに助けられない。『ありがとう』すら言えないかもしれない」。翌年、帰国を決めた。

 友人の経営する横浜の店で働いた。故郷の青森で独立を目指したが、うまくいかない。将来が見通せず、スノーボードでもしようと訪れた後志管内ニセコ町のシェアハウス。外国人ばかりの中に、後に伴侶となる佳代子さん(36)がいた。

 看護師で、直前まで東京の大学病院にいた。生と死が隣り合う現場で3年。つらい場面にも数多く遭遇。「半年間、遊ぼう」。退職し、この冬はニセコでスノボざんまい、と決めて来た。

 英語のできない佳代子さんにとって、健人さんの存在は大きく、距離が縮まっていく。ある日、ニセコ町の「地域おこし協力隊」の募集を知る。共に人生の岐路に立っていた2人。一緒に応募し、翌年から協力隊員として住むようになる。

 この町で何をしよう? 健人さんの頭の中に、バンクーバーの町にあった会社が思い浮かんだ。地元素材でオイルやアロマキャンドルを作っていた。「ニセコでもできるんじゃないか」

 もっとも、オイルを抽出する蒸留器は既製品を買うと800万円はする。ネットで一から勉強。最初の蒸留器は家の鍋で作った。手作り感満載の機材の中で「ニセコの薫り」のしずくが、少しずつ滴り始めた。

(提供:北海道新聞)

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