
夜空に大輪、車窓に笑顔 ドライブイン花火「室蘭に元気を」
2021年03月22日
道の駅みたら室蘭(祝津町)隣接の特設会場で20日夜に開かれた「ドライブイン室蘭花火大会」(実行委主催)にほぼ満車となる約500台の車が集まり、市民らが車窓から夜空に咲いた大輪の花を楽しんだ。新型コロナウイルスの感染が続く中、参加者は地域の元気を取り戻そうという思いをひとつにした。
会場周辺が気温1度まで冷え込んだ午後7時、花火大会は開始。スターマインや大玉、小玉などが40分にわたって夜空を彩った。地域FM局「FMびゅー」で流れる音楽に合わせ次々と打ち上げられる花火に、各車内で拍手する子どももいた。
「すごい迫力」。家族と訪れた室蘭・みなと小2年の宮前太一君(8)は興奮気味。この1年、新型コロナウイルスの影響で休校が多く旅行も難しかっただけに感動は大きい。「花火が近く感じたし、(FMで流れたアニメの)鬼滅の刃の曲ともぴったりだった」と満足げだった。
伊達市から家族と訪れた五十嵐和恵さんは「最高。久しぶりの花火に元気をもらえた」。友人と2人で来た室蘭市の女性(22)も「この日のために仕事を頑張ってきたかいがあった」と声を弾ませた。開催資金を募るクラウドファンディング(CF)の返礼品の一つとして提供した、観光船から花火を楽しむ企画も実施。24人が海から花火に拍手を送った。
花火大会は新型コロナの影響で催しが相次いで中止となる中、市や市内企業などによる実行委が企画し、開催資金は入場料やCFなどで調達。ボランティアスタッフで運営するなど、関係者が一丸となり準備した。
会場では「FMびゅー」を通し、各車内で楽しめる室蘭工業大の学生による謎解きクイズ大会や、抽選会を実施。動画サイト「ユーチューブ」でも配信、同時に2千人が視聴した。
野村滋実行委員長(83)は「(感染拡大と大雪の影響による)2度の延期もあった中、無事に終えることができてホッとした」と振り返った。
(提供:北海道新聞)