写真:羊蹄山ろく消防組合山岳救助隊
北海道の今

羊蹄山ろく消防組合山岳救助隊

2021年03月20日

「ジャパウ」とも称されるふかふかに積もった粉雪のためだろう。山中に飛び交う安全を確認する声は、反響することなく真っ白な雪面に吸い込まれていく。「ロープ緩めー」「はい、緩めるー」。羊蹄山ろく消防組合山岳救助隊にとって2月3日は、この冬初めての集合訓練となった。管内各署に勤務する14人の隊員は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、集まることを控えていた。

羊蹄山(1898メートル)の周辺に位置する後志管内7町村(倶知安町、蘭越町、ニセコ町、真狩村、留寿都村、喜茂別町、京極町)で構成する消防組合に、山岳救助隊が結成されたのは2016年7月のことだ。それまでは山岳救助の装備やノウハウがなく、警察や自衛隊に頼る場面が多かった。道警などの協力を得て訓練を重ね、18年4月から16人態勢で山岳救助活動を本格的に開始した。

同消防組合の管内は国際的な山岳リゾート地となったニセコ地区(倶知安町、ニセコ町)を抱える。羊蹄山は「日本百名山」の一つだ。コロナ禍でこの冬、外国人観光客の姿は少ないが、ここ数年にぎわいをみせてきた。人気なのは「ジャパウ」を体感するバックカントリースキー。しかしスキー場外での滑走は、雪崩などの危険が伴う。

山岳救助隊をつくったのは「ニセコという観光地としての責任、ということからでした」。結成当時の消防長だった川村順二さん(62)と倶知安消防署長だった麻生裕之さん(62)は振り返る。31年春には北海道新幹線の倶知安駅が開業を予定。札幌冬季五輪が30年に開かれる可能性もある。地域が今後、さらに発展していく可能性を見据えての結成だった。

道内の山で遭難が起きた際の救助組織は、道警に加え、札幌市消防局や旭川市消防本部、千歳市消防本部などが持つほか、各地域の山岳救助隊がある。状況によって自衛隊などと協力して救助を進める。

道警の山岳遭難救助隊は1974年に結成。現在は約90人態勢で全道を網羅する。同隊を指導する道警本部地域企画課の松本孝志指導官は「救助をするに当たって地元の消防と連携を取れることはありがたい」と話す。「バックカントリースキーは冬山登山に行く覚悟が必要です。安易な気持ちでスキー場のコース外に出ることは控えてほしい」

倶知安町内で宿泊施設を営む近藤英輝さん(57)は、夏季に20年以上にわたって羊蹄山避難小屋の管理人を務めるなど長年、登山者らと間近に接してきた。「観光立国で外国人観光客が増える中、救助のネットワークができることは、地域にとって心強いことです」と話す。

羊蹄山ろく消防組合山岳救助隊は昨年、16件の出動があった。今年も3月15日までに6回出動。「一番大切なことは、要救助者を含めて隊員も全員が安全に下山することです」と槇野学隊長(43)は力を込める。倶知安で生まれ育ち、長年この地域を見続けてきた槇野隊長は、バックカントリーについて「今後、この地域の文化、財産となっていくのでは」と話す。「事故はちょっとした油断で誰にでも起こりうること。僕たちは万が一のときの備えであればいい、と思っています」

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(提供:北海道新聞)

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