
北海道の今
北方原生花園の風衝林 逆境に耐え「北国のかたち」
2021年11月22日
根室市納沙布岬からの帰路、北方原生花園に立ち寄る。海峡から吹き付ける北風が肌を刺す。
風が強いため高く成長できない風衝林の奥は、沈む夕日に彩られ、西の地平はあかね色。気温の低下とともに空気が締まり、さえる。明るさを残す空に、風衝林を形成するミズナラがシルエットとなり浮かび上がる。
風衝林は北側ほど低い。強風が風上への成長を妨げたためだ。まるで毛細血管のように複雑に曲がる枝、幹は根元から南側に傾く。冬期間の厳しい気象が長い年月をかけ作り上げた「北国のかたち」だ。
ミズナラの容姿は逆境に耐えてきた老練な人生のように感じ、圧倒された。(茂忠信、写真も)
(提供:北海道新聞)