
北海道の今
<カムイの大地 風景編>29 朝もやの渡り鳥 美唄市 繁殖地目指し北へ北へ
2022年04月18日
早朝、春がすみに包まれる石狩平野。美唄市と空知管内月形町にまたがる月形大橋から石狩川越しにピンネシリや神居尻山を望む。
ねぐら立ちしたマガンの群れが行動を始める。本州で越冬し数千キロの旅の途中、美唄市の宮島沼に数万羽が集結する。ぬるむ水場を求め、追いかけるように北へ北へと進んでいく。
ひと月ほど前、雪深い空知管内の田畑に積もっていた雪は、春の日差しを浴び一気に解ける。マガンたちは雪に埋まっていた落ち穂をエサに体力をつけ、繁殖地を目指す。
力強くなった太陽光が雪を解かし、泥を乾かす。まもなくコブシやエゾヤマザクラが山々を彩り、カムイの大地に本格的な春が訪れる。(茂忠信、写真も)
(提供:北海道新聞)