
北海道の今
水中ドローン練習用に屋内プール開設 函館の潜水サービス会社、人材育成に力
2022年11月03日
函館市港町の潜水サービス会社「大歩(だいぶ)」(中村徹也代表)は1日、水中ドローン(小型無人機)の操作練習に利用できる屋内プールを新設した。海や川の水質調査、橋の点検などで水中ドローンを活用する動きは全国的に広がっており、操作できる人材の育成に力を入れる。子ども向けの体験会なども計画しており、中村代表は「道南の子どもたちが海の仕事に関心を持つきっかけになれば」としている。
同社は、岸壁の老朽化調査や潜水作業、潜水士の育成などを行う。社屋を建て替えて新設した屋内プールは長さ10メートル、幅6メートルの大きさ。ダイビングの練習に使うほか、水中ドローンを潜航させる操作に備え、水深は1・2メートルの浅い部分と4メートルの深い部分を設けている。
水中ドローンは、海や川を潜航しながらの撮影のほか、機種によっては、人に代わって水質調査や漁港内の養殖施設のメンテナンスなどの作業にも対応できる。このため、人材確保に悩む企業の間などで需要が高まっている。
中村代表は「活用をさらに進めていくためには、操作できる人材の育成が必要」と説明。同社は、一般社団法人日本水中ドローン協会(東京)の認定スクールも開校する予定だ。
同社によると、水中ドローンやダイビングでの潜水の練習に利用できるプールは、主に水産高校など教育機関にあり、民間企業が備えるのは道内では珍しいという。
1日には、新社屋の竣工(しゅんこう)式を行った。中村代表は「季節問わず練習できるのが強み。レジャーダイビングや潜水訓練、ドローンの操作などの基礎を身に付けてもらい、海での実践に進んでほしい」と話している。
(提供:北海道新聞)
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